ナチュラルライフな日
第21号
08/12/4(木) 晴れ
里山の風景が周りに広がるここは正調田舎。でもグラスハウスの
中には、かつてのいわゆる田舎イメージはもうどこにも見当たり
ません、ここはいったいどこでしょう…答えは写真の後で。

答えは「ナチュラルライフマーケット」。
実は、会場内で撮影していた時からうすうすは感じていたのです。
で、昨日開かれた「お疲れ様会」で確信となりました。
歴史は繰り返す。
ココの地域は、かつてのモンマルトル・モンパルナス。
モンマルトル・モンパルナスがどのようにして芸術家の街になっ
たのか。パリ大改造で近代都市化してしまったパリ市内、しかし
当時まだ絵になる農村風景が郊外には残っていた。都市化を嫌っ
た様々な美術家、詩人、劇作家、小説家、音楽家たちが徐々に、
しかし着々とモンマルトルやモンパルナスで暮らしを始める。
モンは山や丘のこと、日本風に言えば里山つまりこの辺り。
代表的な人物には、ロートレック、ユトリロ、ゴッホ、マティス、
ルノワール、モディリアーニ、シャガール、サルトル、藤田嗣治
などがいます。ちなみに彼らはボヘミアン芸術家と呼ばれやっぱ
り"ビボズ"でした。てなことで映像作家の私はさしずめ、作家で
あり映画監督でもあったジャン・コクトーの爪のアカでも煎じて
飲みなさいといったところでしょう。
ただかつてのモンマルトル・モンパルナスとは大きく異なる点が
ひとつ。ココでは殆どの人が農作もしています。私もヘナチョコ
ではありますがコシヒカリつくってます。モンココは兼農創作者
が集まる美味しい心太(トコロテン)。
これが「お疲れ様会」の様子。ブラウンズフィールドの母屋にて。
モンマルトルやモンパルナスは創造的かつボヘミアンな環境で
創作活動をしたいという人々を引き寄せていた。そこで暮らす
創作者たちの共同体には、独創性のある者はどんな変人であれ
受け入れられた。新しくやってきて不安に感じている者も、先
に来ていた人々に自然に迎え入れられた。
ココに集まっている人々も、地元民、先輩移住者、中先輩移住
者、新人移住者それはもう色とりどり。そして私は昨年移住の
新人田舎者。
田舎、そこはかつて都市に出ることでしか錦を飾れないと思われていた場所。
やがて21世紀となり、一区切りの10年が経とうとしている現在。その場所
は、20世紀の知の巨人フェリックス・ガタリの思索した生態学的哲学(エコ
ゾフィー)の実践の場になりつつあります。フェリックス・ガタリとは資本
主義社会の非人間性からの戦略的逃走を提唱したポスト構造主義の先駆者。
拙著「"負けるが勝ち組"はイナカをめざす」の思惟的バックボーン。
エコゾフィーとはあらゆるレベルにおける生態を考え直してみることを意味
します。それは、環境の保護といった領域だけでなく、社会体、そして人間
の精神のありようを横断的に捉えなおす形而上学的な概念であり、すぐれて
実践的な概念でもあるのです。
田舎には仕事が無いからという言葉を良く耳にします。事実はその通りです。
しかし、無いのなら自分たちで創造しよとする人々も確実に存在しています。
環境、社会、人を横断的に主観的視点で捉え直した時、そこには新たな価値
観を持ったエコロジカルであると同時に生産性も有した仕事の姿が見えてく
るのです。金銭的に恵まれているわけではないが豊かな創造力と個性を持っ
た人々による協同。今、田舎は、錦を飾る場から、自然素材で飾らないこと
にこそ価値がある場へと変貌を遂げつつあるのです。
「第3回ナチュラルライフマーケット」の主催者であり、ビボズ
のお仲間でもあるタルマーリーさんの心のこもった報告がアップ
されました。この報告も合わせて読まれると今ココで起きようと
している「何か」からただよい始めている、香ばしい匂いを感じ
ることができます。それもそのはず、もともとパン屋さんですか
らねタルマーリーさんは。
第3回ナチュラルライフマーケットのご報告へ
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